リンクバイリンクとエンドツーエンド

カスタマーエンジニア(機器の設置や設定、保守点検や修理などを行うエンジニア)と話をしていると「リンクアップ」や「リンクダウン」、「リンクバイリンク」という用語をよく耳にします。また、システムエンジニア(プログラマ)と話をしていると「エンドツーエンド」という用語をよく耳にします。

どちらも通信状態を表す用語ですが、今回はリンクバイリンクとエンドツーエンドの違いについて考えてみます。

まず、下図を見てください。
リンクバイリンクとエンドツーエンド

データリンク層では、同じデータリンク、同じネットワーク内の直接接続された機器同士で通信を行います。この通信のことをリンクバイリンクと呼びます。

これに対してネットワーク層では、ネットワークを越えて、直接接続されていない機器同士の通信を実現させるために、ネットワーク間の転送を行います。そして、送信ホストから受信ホストまでのエンドツーエンドの通信を実現します。

つまり、両者の違いはOSI基本参照モデルのレイヤーで考えた場合、データリンク層での通信状態を指しているのか、ネットワーク層での通信状態を指しているのかの違いとなります。

カスタマーエンジニアはまず、ネットワーク機器の設定で、各ポートがリンクアップする(対向の機器と接続状態となる)かどうかなどリンクの状態が重要であり、対して、プログラムは途中の経路は関係なくエンドツーエンドでつながりアプリケーションが動作するかどうかが重要なため、冒頭に記載したようなことが起こります。(悪い言い方をすると、自分の担当範囲しか興味がないということです。)

それらに比べ、ネットワーク設計を行うネットワークエンジニアはリンク状態もそうですし、正しくルーティングされて宛先に届くかどうかも重要ですので、どちらの用語も使い分けて使用しています。